株とか経済の話題を扱います。たまにご飯。
短期のFX取引であれば、各国の政策金利と日々のニュースをこまめにチェックしていれば、それほど困ることはないかと思います。しかし、半年や1年以上の長期間ポジションを保有してスワップ金利を受け取るような場合、投資先通貨の国の経済状況をある程度細かく確認しておかないと不安だと思います。特に、高スワップポイント通貨の国は経済成長が著しい反面、途上国であることからリーマンショック級の経済リスクによって大きく値下がりする可能性が高いです。
各国の経済指標はUN(国際連合)やIMF(国際通貨基金)といった国際機関がデータを集計、および公表しているので誰でも閲覧することができます。公式ページは英語ですが、総務省統計局やIMFアジア太平洋地域事務局がデータベースの使い方を日本語で資料でまとめてくれているので、それほど難しくはないでしょう。どちらもPDFです。
国際連合(UN) National Accounts Main Aggregates Databaseの使い方
World Economic Outlook(WEO、世界経済見通し)データベースの検索方法
UN、IMF以外にも各国の経済統計を公表している国際機関がありまして、UNCTAD(国連貿易開発会議)もそのうちのひとつです。ネットでがんばって検索してみたのですが、こちらの統計データの使い方を教えてくれる資料が見つからなかったので、今回は私が試した方法をエントリーにしてみました。
United Nations Conference on Trade and Developmentの略称で、日本では国連貿易開発会議と呼ばれています。1964年に設立された国連直属の国際機関であり、北半球と南半球の経済格差問題であるいわゆる南北問題を解決することを目的としています。このため、こちらのデータは先進国と途上国の統計を比較しやすいデータの公表の仕方が特徴になっています。
こちらでは各国の人口や対外投資金額、コモディティ価格といった多種多様な統計データを集計・公表していますが、今回はちょうどオリンピックで話題となっているブラジルの1980年から2014年までのインフレ率の推移を調べてみます。
公式ホームページのトップに「Statistics」とあるのでこちらをクリックします。
unctad.org | Home
今回はインフレ率を調べたいので「Economic trends」をクリック。
Google Chromeの場合、新しいタブが開いてこのような画面が表示されるので「Inflation rates」をクリック。
「Consumer price indices, annual, 1980-2014」をクリック。
ちなみに、項目の隣に感嘆符マーク(俗にいうビックリマーク)をクリックすると、各項目の説明文を表示してくれます。
説明文も英語なんですが、日本で使われている経済用語を直接英訳しても検索で引っかからなかったりするので、けっこう役に立ったりします。
統計データの調べ方を続けます。先ほどのConsumer price indices, annual, 1980-2014をクリックするとこのような画面が表示されます。
なんだかたくさん項目が表示されるのでここでゲンナリしてしまいがちですが、丁寧に見ていけばそれほど難しくはありません。ポイントは「Developing」と「Developed」です。
UNCTADは南北問題を解決するために設立された機関なので、統計データも先進国と途上国で比較がしやすいように並べられています。今回の目的はブラジルのデータなので、次のようにリンクをたどります。
すると南米各国のデータが表示されるので、ここからブラジルのデータを抜き出してEcxelなどでグラフにすれば、視覚的にブラジルのインフレ率の推移がわかるようになります。
当然日本のデータも集計されており、その場合には「Developed economies: Asia」で探せば日本のデータを取得することができます。
UNCTADのデータはデフォルトでは2005年を基準とした比率で表現されていますが、表の上部にある黒い逆三角形の部分をクリックすれば違う尺度でデータを表示させることも可能です。
また、UNCTADの統計データの便利なところは、各国ごとにまとまっているだけでなく、地域ごとにも統計を参照することができることです。EU全体や中国を抜いた途上国全体の統計データを集計してるなど、自分で計算する手間を省いてくれます。
FXのみならず、世界各国の経済情勢を確認するにも便利なホームページとなっていますので、ぜひご活用ください。