株とか経済の話題を扱います。たまにご飯。
世間はSMAPの解散で大騒ぎですが、東京株式市場も大騒ぎです。今週の水曜日に上海総合指数が3000ポイントを割ったことで世界的に株安の傾向であり、大発会から5連敗した日経平均株価ですが木曜日に一度反発したものの、週末金曜日の東京市場は再度下落。本日の参院予算委員会において日銀の黒田総裁が「現時点で追加緩和するという考えはない」と発言したこともあり、東京市場は見事な右肩下がりとなりました。下り最速の面目躍如といったところです。
年明けから2度のサーキットブレーカーを発動した挙句、節目の3000ポイントも割りこんでしまった上海総合指数ですが、中国税関総署が13日に発表した2015年の貿易総額が人民元ベースで7.0%減となるなど、実体経済もあまりかんばしくありません。
このような経済失速を受けて、海外資金が中国から撤退している模様です。昨年末から中国は外貨準備を取り崩して元を買い支えていると言われており、その証拠に中国の外貨準備は毎月減ってきています。アメリカの金融政策にあわせて元を刷り、ドルを買うことでドルペッグを続けてきた人民元ですが、アメリカの金融政策の終了と利上げ・中国の景気失速による海外資金の流出で、逆の流れになってしまっています。
中国経済の失速にともない、原油価格も下げ止まりません。アメリカのシェール企業潰しのためにはじめたOPECの原油輸出の拡大とのダブルパンチにより、完全に供給過剰になっています。今日はとうとう30ドルの大台を割り込みましたが、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは20ドルを割り込む可能性もあると指摘しており、投資家の一部は25ドルで売れる権利が得られるプットオプションを購入する防御策を取っているようです。
この原油安で思わぬ打撃を受けているのがロシアです。ロシア政府は石油や天然ガスの税収が潤沢なときにその一部を基金として積み立てていたのですが、2008年のリーマン・ショックからロシアを救ったこの基金が2019年に枯渇する見通しがでてきました。
ロシア政府が昨年10月に承認した予算原案は1バレル=50ドルに設定されているため、現在の石油価格が続けば石油・ガス関連の税収が想定を大幅に下回るのは間違いありません。リーマンショック時の景気対策の原資となった基金ですが、政府の財政赤字の補填に加えて、ウクライナに関する欧米の経済制裁により資金調達が困難になった企業からの支援要請にもこの基金は利用されています。このペースが続けば、基金が2019年には底をつくという予測です。
年始にサウジアラビアとイランが国交断絶をするなど、中東情勢が不透明なので原油価格がこのままであるとは限りませんが、2016年はしょっぱなからなんだか実に慌ただしいです。北川景子も結婚しちゃうし。