日経平均大幅反発、941円高

 年明けから延々と下がり続けていた日経平均株価ですが、21日に欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が3月の追加緩和を示唆したことで投資家心理が改善、前日比でなんと941円27銭の大幅上昇となりました。28日の日銀金融政策決定会合で追加の緩和策がでることも期待されているようです。余りのボラタリティに鼻血が出そう。

中国への直接投資実行額が前年同月比8.2%減

 昨年12月の世界全体から中国への直接投資の実行額が前年同月比8.2%減となった模様です。景気が失速している中国から世界の企業が逃げ出しているということであり、いわゆるキャピタルフライトというやつです。日本からの投資の場合、34.5%減と激減となっております。伝説の投資家ジョージ・ソロス氏も「中国のハードランディングは不可避やで」とブルームバーグのインタビューに答えております。

 経済政策では芳しい成果を挙げられない習近平氏ですが、21日にはエジプトのカイロで中東地域に対して総額550億ドル(約6兆4000億円)の融資や投資を実施する方針を表明した模様です。産業振興などのために350億ドルを融資する一方、アラブ首長国連邦(UAE)やカタールとともに200億ドル規模の投資ファンドを設立するとのことです。

 中東への投融資のみならず、ギリシャ最大のピレウス港を総額は15億ユーロ(約1900億円)で買収するなんて話も出てきています。

ギリシャ最大港民営化、中国国有海運の買収提案受け入れ

 経済失速によるキャピタルフライトによりドルが流出、人民元を買い支えなければならないせいで外貨準備を減らし続けている中国にそんな余裕があるのでしょうか。一部報道では、新興国の投融資などに外貨準備を突っ込んでしまっているのですぐに現金化することができず、中国の実質の外貨準備は本当はもっと少ないのではないかという指摘もあります。

 日米主導のADB(アジア開発銀行)に対抗して立ち上げたAIIB(アジアインフラ投資銀行)にしても、AIIBが発行する債権がジャンク債並みの格付けしか得られないことから資金調達が難航しており、初融資の段階から計画に遅れがでそうな有様です。

 さらに、昨年ダンピングともいえる価格設定により日本との受注競争に競り勝ったインドネシアの高速鉄道ですが、その出来映えは目を覆うばかりです。

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 完成したばかりにもかかわらず、軌道が波を打ち、部材は錆にまみれ、屋根からは水が漏れ、自動改札機・エスカレーターは故障で止まっている模様です。

 国内の経済政策も外交政策もあまりうまくいっているようには思えないのですが、大丈夫なんでしょうか。

サウジアラビア「原油の減産はせぇへんで~」

 石油連盟会長の木村康氏は21日の記者会見で、「原油価格は今が底値ではないか」との見方を示しました。中国の経済低迷による需要減やイランへの制裁解除による増産などにより価格は上昇しにくいとしながらも、このところの値動きは過剰反応であると指摘しています。

石油連盟「原油価格は今が底値と理解」

 このような最近の原油安の状況に対し、サウジアラビアの国営石油会社サウジ・アラムコのハリド・ファリ会長は価格維持のための減産に踏み切るつもりはないことを明言しております。

サウジ、原油安は「長期間」対応可能 減産受け入れを否定

 ハリド会長は強気の発言をしていますが、実際は減産したくてもできないというのが正直なところではないでしょうか。昨年の12月28日に発表されたサウジの2016年予算によると3262億リヤル(約10兆5000億円)の財政赤字になっており、これに対してサウジ国内のガソリン価格が50%引き上げられたほか、水道・電気料金などの段階的見直し、たばこ・清涼飲料水の値上げなどの経済改革プランを策定中であると報じられています。

サウジ財政赤字10.5兆円 16年予算、原油安が打撃

 現在サウジは国債の発行や外貨準備の取り崩しで急場をしのいでいますが、IMF(国際通貨基金)によれば5年以内にサウジの準備資産が枯渇すると警告しています。外国証券への投資も減っており、21日の日経平均が暴落した際にも「オイルマネーの流出ではないか」との指摘もあります。

 今まで欧米原油市場におけるイラン産原油の穴埋めはサウジアラビア産でまかなわれていましたが、イランが制裁解除をされたことでイランの原油輸出が増えることは間違いなく、原油価格の上昇を妨げる可能性は高まっていると思われます。

インドが円借款を支払えない?!

 昨年12月、日本はインド初の高速鉄道建設プロジェクトを受注することができましたが、事業費の大部分を占める日本からの円借款をインド政府が支払うことができないのではないか、と中国の観察者網が台湾メディアの報道を引用する形で指摘しています(ややこしい・・・)。

日本が勝ち取ったインド新幹線、でもインド政府は支払えない?=「インドに感謝」「日本は当たりくじをひいた」―中国ネット

 円借款とは、日本政府が発展途上国政府に対してインフラストラクチャー整備などを目的として行われる長期・低金利の資金貸し付けのことで、その大部分がアジア地域に提供されてきました。円借款はODA(政府開発援助)の一部で、ODAの中にはほかに無償援助や技術協力が含まれていますが、日本政府は返済する必要のある円借款を重視してきた歴史があります。

 どことなく経済援助のような響きがありますが、返済する必要のある借金であることに変わりはないので、もちろん取りっぱぐれることがあるのは否定できません。こちらの記事では過去に日本政府が債権を放棄してしまった円借款について、きちんと説明しろと指摘されています。

誰も批判しない2兆3千億円の債権放棄~ミャンマー会談を受けて

 ただ、こちらの記事でODA実施機関であるJICA(国際協力機構)にインタビューをされていますが、ほとんどの国は経済状況が苦しくなってもなんとか返済しようとするようです。返済できなくなった場合、同国の政府だけでなく、民間企業の信用まで失ってしまうため、その後の経済活動に支障をきたすなどの悪影響が出てしまうためです。

外国に貸した22兆円の返済事情

 その証拠に、インドに提供する多額の円借款や最近増えているアフリカへの資金提供は、かつて中国や東南アジアへ貸し出した円借款が返済されたことで、貸し付けるための原資が潤沢なためであると言われています。

 また、円借款のメリットは平均金利1.03%の低金利だけでなく、平均返済期限33年8ヶ月という超長期の返済期限もあります。発展途上国は基本的にインフレ率が高いため、借金が年々政府財政に対して小さくなっていくという訳ですな。

 インド政府は47億ドル(約5530億円)の財政赤字であることを根拠に円借款の返済ができなくなるのでは、と中国メディアの指摘ですが、受注競争に負けた腹いせかどうかはともかく、大丈夫なんじゃないですかね。技術供与する日本企業とあわせてがんばってもらいたいです。カレー食べたい。

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