日経平均、よわよわ

 波乱の幕開けとなった2016年の世界経済ですが、IMFが世界の経済成長の見通しを下方修正するなど、相変わらず良いニュースがでてきません。本日の日経平均株価指数も朝からひたすら右肩下がりとなり、16500円を割り込んでしまいました。

 アメリカの金融引き締めにより新興国などのリスク資産に投入されていたドルが反転することで、新興国経済の先行きはさらに不透明になったと思われます。IMFが発表した2016年の経済成長率予想では、中国こそ横ばいであるものの、ブラジルが深刻なリセッションに陥るだけでなく、ロシアなどはマイナス成長するだろうと予測されています。金融引き締めを行った当のアメリカですが、ドル高により製造業が打撃を受けるだけでなく、原油安が設備投資を抑制していると指摘されています。

 今月の16日に欧米諸国によるイランへの経済制裁が解除されましたが、これにより多額の債務を抱えているイランは原油の輸出を再開することになると思われます。こればかりか、IEA(国際エネルギー機関)の報告書によれば、2016年のOPECの採掘量は前年比で増加すると見られているので、原油価格がどこまで下がるのかまだわからない状態です。

中国、去年のGDP6.9%

 19日に中国の去年のGDPの伸び率が前の年に比べて6.9%のプラスと、25年ぶりの低い水準となったことが発表されました。例によって「中国の出す数字は信用ならねぇ」とばかりに、実態はもっと悪いのではないかとの指摘も出ています。

 中国国内の雇用を安定させるためにはGDPが最低7.0%成長しなければならないと言われていますが、その最低ラインを割り込んだことになります。世界経済の失速だけに限らず、電気消費も石油消費も輸出も輸入も激減しており、不動産バブルと株式市場のバブル崩壊もあわせて考えると、本当に6.9%も成長率があるのか実に疑わしい。

 報道各社は追加の景気刺激策が必要であると言いますが、何か手が残っているんですかね。以前人民元の切り下げを行いましたが輸出が増えることはなく、アメリカの金融引き締めにより中国からドル資金が大量に離脱し始めたため、今度は外貨準備のドルを売って人民元を買い支えなければならなくなっており、新たに経済政策を行う余地が残っているのか非常に不透明です。

 中国経済が失速したためなのか、中国の貯金箱アジアのインフラ整備のために立ち上げられたAIIB(アジアインフラ投資銀行)の初融資がスケジュールより遅れる可能性を発表しました。

初融資は「年内」、さっそく遅れ示唆 金総裁会見 恣意的運営懸念に「高水準のガバナンスに注力」

 日米が主導するADB(アジア開発銀行)に対抗する形で中国が立ち上げを提唱したAIIBですが、かねてより中国が恣意的な運営をするのではとの懸念が出ており、17日に北京で開かれた記者会見で金立群初代総裁はクリーンな国際金融機関であるとアピールしております。また、「ドアはなお開かれている」と記者会見で強調しており、日米の参加をうながしたい考えのようです。

 AIIBが資金を調達するためには債権を発行しなければならないのですが、日米不在のままでは低い格付けしか取得できない可能性があるようです。格付けが低いままでは資金調達に支障がでるかもしれないので、AIIBの初融資がうまくいかなくなるかもしれない訳ですな。金総裁は春ごろまでに日本を訪問する予定でだそうで、再度参加をうながすつもりなのでしょう。去年から「バスに乗り遅れるな」、「ドアは開かれている」と散々耳にしてきましたが、このバスはいつまでもドアが開きっぱなしですね。

ドローンについて全国の自治体にアンケート

 首相官邸やお祭りの最中のお寺の上空でドローンによる事件が多発したおかげで、昨年には航空法が改正されまして12月10日から施行されました。

ドローン規制、12月10日から 改正航空法

 アメリカではAmazonが30分以内にドローンを利用して配達を行う「Prime Air」なるサービスが発表されるなど盛り上がっています。今のところテストフライトの段階ですが、送電線などを検知・回避する問題を解決することができれば、サービスを提供することができると発表しています。

 ドローン技術でどことなく出遅れている感が漂う日本ですが、政府もただ手をこまねいている訳ではないようです。

ドローン宅配へ自治体調査

 国土交通省が自治体を対象にした全国規模アンケートを3月までに実施する模様です。2月には中山間地域で配送実験を行そうで、限界集落にインフラ投資をするよりドローンによる配送環境を整備するほうが安上がりであると考えているのかもしれません。

 どうやら政府はドローンの活用に結構乗り気のようで、警視庁からは不審なドローンへの対策案が発表されました。では、その勇姿をご覧ください。

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・・・うん、いいんじゃないかな。多分。

 国交省が行うアンケートですが、結果を官民による協議会で分析するようで、民間企業にもドローンを活用したビジネスの話題がでてきました。

「スマート農業」加速 自動運転、ドローンなど活用して作業効率化

 農機大手のヤンマーとコメ卸売大手の神明ホールディングがドローンやIT技術を活用したコメ農家支援の取り組みを始めているようです。この他にもクボタがGPSを利用した無人で作業できる自動運転トラクターを発表したり、井関農機がタブレット端末と農機を連動させて作業情報の確認や遠隔操作による盗難防止に取り組み始めています。

 地方の過疎化や人手不足解消の切り札として、各省庁や企業が連携してドローンを活用している感じですね。昨年頻発した事件により少しばかりイメージが悪くなってしまいましたが、正しく使えば便利な道具であることを実証してもらいたいと思います。

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ひろです。
お酒ばっかり飲んでいるけれど、私はげんきです。

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