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日銀が追加の金融緩和としてマイナス金利を導入したことで、29日の東京株式市場では銀行株が軒並み下落しました。日銀の当座預金に積んでいた資金から得ていた金利収益が将来的に減少する見通しであることが原因だと見られています。
また、銀行の貸出金利は長期国債の利回りと連動することが多いので、貸出金利がさらに低下することで収益が悪化する可能性を指摘されています。
アングル:マイナス金利導入に地銀からは悲鳴、収益圧迫は不可避
欧米メディアは日銀の追加緩和を受けて、市場が好感を示したと報じると同時に、円安の進行が通貨安競争を招きかねないとも指摘しています。
金利がマイナスになると、その通貨を保有する魅了は薄れることが多いです。例えば、日本に先行してマイナス金利を導入しているデンマークですが、欧州債務危機によりファンダメンタルズの健全だったデンマークに資金が殺到。デンマーククローネが対ユーロに対して大幅な上昇圧力にさらされたことで、中銀がマイナス金利に引き下げた経緯があります。
ただ、日本円に並んで世界の安全通過として有名なスイスフランのように、マイナス金利を導入しているにもかかわらず世界的な景気減速が懸念により買われる通貨もあったりするので、今回の追加緩和がどこまで円安に影響を及ぼすのかは不透明です。
今回の追加緩和でなにが起こるのかを予想するには、先行してマイナス金利を導入している欧州の国々が参考になります。経済刺激策として期待されたマイナス金利ですが、ユーロ圏では輸出企業に多少の恩恵が見られたものの、銀行融資はわずかな伸びに留まりました。
また、デンマークとスウェーデンでは住宅価格の上昇を招き、住宅バブルへの懸念が広がっています。住宅ローンは本来ならば元本に利息を上乗せしたものを返済しますが、マイナス金利により元本から利息分を差し引いた金額を返済する逆転現象が起きているようですからね。集合住宅の平均価格で、デンマークでは2015年前半に8%、スウェーデンでも16%上昇しているようです。
デンマークでは銀行のローン金利が一部マイナスになってしまい、お金を借りた人が利息をもらえる現象まで起き始めているようです。当座預金の資金から得ていた金利収益の減少だけに限らず、銀行の収益を圧迫するのは間違いないでしょう。