株とか経済の話題を扱います。たまにご飯。
変なタイトルで申し訳ありません。花粉症のせいです(すっとぼけ
1月29日に日銀の黒田総裁が追加緩和策としてマイナス金利の導入を発表したことにより、短期の国債利回りがマイナスになるのが当たり前みたいになっていましたが、とうとう十年物国債の新規発行分の落札利回りまでもがマイナスに突入してしまいました。これは、日本経済の見通しが想像以上に悪いことを意味しています。
日銀は国債利回りがマイナスになっても制限なく買い続けているため、本来ならば期日まで保有していると元本割れをしてしまう国債でも日銀に売却すれば儲かる状況になっているようです。
大規模な金融緩和を行っているにもかかわらず、いまだにデフレから脱却する兆しの見えない日本経済ですが、27日に閉幕したG20財務省・中央銀行総裁会議において「財政政策の機動的な実施」 についての共同声明が発表されました。
会議では通貨安競争の回避についても議論され、ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長が27日に上海おいて「日本についても討議された。競争的な通貨切り下げの状況に陥るのではないかとの多少の懸念があった」と発言したことを受けて、以前から金融緩和による円安について否定的だった一部メディアが再度円安についての批判を行っております。
ただ、これについては国内のマクロ経済上の理由による金融政策によって為替相場が下落しそうな場合、前もって通知することで不意を突かれて為替相場などが混乱するのを避けるためのものであり、日本の金融政策に駄目出しをすることが目的ではないようです。
一部では中国の人民元が主要議題のひとつになると予想していたようですが、こちらも特別に名指しでの批判がされたということはなかったようです。G20の閉幕後の2月29日に、しれっと中国人民銀行が預金準備率を0.5%引き下げたようですが。相変わらずの節操の無さです。
中国の預金準備率引き下げ、大型刺激策の前触れではない=新華社
今回のG20において注目するべき点は、「財政政策の機動的な実施」 でしょうか。金融政策だけでは成長は困難であり、機動的な財政出動を実施する必要があるとの指摘は、著名なブロガーである三橋貴明氏が以前から主張しておられる意見です。
ECBも3月に追加緩和すると表明していますが、過去に金融緩和したにもかかわらず、イタリア・スペイン・ポルトガル・ギリシャなどの財政赤字に苦しむ国ばかりでなく、フランスやドイツのように比較的経済的に余裕のある国までもがデフレになりつつあります。
ただ、EU域内には共通の財務省がなく、財政均衡主義を掲げるドイツのショイブレ財務相は26日のセミナーで新たな財政出動に極めて消極的な姿勢を示した模様です。どうなるんでしょうかね。
1日には2016年度予算案が衆議院を通過し、憲法に規定された衆院の優越により年度内に予算案が成立することが確定しました。同時に、公共事業予算のための赤字国債の発行を認める特例公債法案も賛成多数で可決、参院に送付されているので理論的には財政出動ができる下地が整っていることになります。
しかしながら、自民党の各閣僚からは「ファンダメンタルズは良好」とのコメントばかりで、どうにも新たに財政出動を行う雰囲気ではないように思えます。G20の共同声明を受けて、これから行われる参議院予算審議で追加補正予算として財政出動を考慮してくれればいいんですけどねぇ。
市場の動き、世界経済のファンダメンタルズ反映せず=麻生財務相
日本の基礎的条件良好、中国減速など下押しリスクも=石原再生相
訂正-国内経済のファンダメンタルズは良好=柴山首相補佐官
長引く日本の不況に終止符を打ってもらいたいと思います。