人工知能はどこまで人間の仕事を奪うのか?

 人気ワード使ってアクセスアップを図ったろ、という下心丸出しでタイトルを付けました。私程度の知識ではたいした記事にはなりませんが、「最近の人工知能界隈はどうなっとるんかいな」ぐらい肩の力を抜いて読んでいただければ幸いでござる。

囲碁界における人工知能

 2016年3月9日~15日に米グーグルが開発した囲碁AI(人工知能)である「AlphaGo(アルファ碁)」と韓国のプロ棋士イ・セドル氏が対戦を行い、4勝1敗で人工知能が勝利すしたことで大きな話題となりました。昨年の人工知能学会ではプロ2段の棋士に三子置いて負けていたレベルだったそうですが、その進歩の早さには目を見張ります。

 今回グーグルが対戦に用いたAlphaGoは人工知能にディープラーニングを組み合わせたものだそうで、はてな界隈が好きそうなキーワードが並んでいます。勝利を報酬に囲碁AI同士を対局させて鍛える「強化学習(教師なし学習)」というディープラーニング技術を使ったそうで、2015年10月の時点で3000万局もの自己対局をこなしたといいます。

 これを実現するために、グーグルはディープラーニングを分散処理させるライブラリを開発し、複数台のサーバーでディープラーニング処理を分散化させたそうです。巨大なITインフラを保有する企業の面目躍如といったところ。

 日本でも囲碁AIの開発には力を入れています。20日には囲碁ソフトの強さを競う世界大会が東京の大学で開かれ、6つの国と地域から過去最多の31チームが参加しました。AlphaGoは参加しませんでしたが、去年から囲碁の人工知能の開発に乗り出したアメリカのIT企業やフェイスブックなどが参加。見事日本の強豪ソフト「Zen」が優勝しました。

 Zenの開発者である加藤英樹さんは「AlphaGoを上回るものを目指していきたい」とコメントしております。おめでとうございます。

その他のAI

 囲碁AIの話となるとなんとなく別世界のような気がしてしまいますが、我々のような一般人でも関わりのありそうな人工知能と言えばGoogleの検索結果です。Google検索では「PageRank(ページランク)」と呼ばれるアルゴリズムによって検索結果の表示順が決められていましたが、このアルゴリズムに人工知能を導入しようとしており、検索結果の精度を劇的に向上できるのではないかと期待されているようです。

いま、人工知能は「Google検索」を大きく変えようとしている
Google検索の精度を激変させる可能性を秘める人工知能技術「RankBrain」

 現在の株式市場では約7割が機械によるアルゴリズム取引であると言われていますが、AIでポートフォリオを構築・資産運用して利益を上げるヘッジファンドも出てきたようです。通貨や国債など複数の資産から最適な組み合わせをコンピューターによって選び出し、同種ファンド平均を大きく上回る収益を上げた模様です。

人知及ばぬ波乱の市場、モデル運用のヘッジファンドが2カ月収益19%

 人工知能を利用して小説を書く研究と言うものも進んでおり、まだまだ人間が手を加えなければならないものの、日経新聞が主催する「星新一賞」という文学賞において一次審査を通過するまでになっています。まさに星新一のショートショートの世界ですな。

人工知能は小説を書けるのか

応募作品はWeb上で公開されていますので、よろしければこちらからどうぞ。

きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ
人狼知能プロジェクト

人間が仕事を奪われるのではないか?

 こういう話が活発になると、「機械が人類を支配するのではないか?」といったディストピア的な話題が出てくるのはもはや様式美であります。私は見てないのですが、3月15日に放送されたNHKのクローズアップ現代で人間の仕事が機械に置き換えられるのではないかと話題になったようです。

NHKクロ現が「仕事がない世界」を特集 20年後、いまの仕事の半分は消滅する?

 英オックスフォード大学と野村総研の共同研究では、日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能であるとの研究結果が発表されており、画像認識、音声認識、顔認証から、防犯カメラに映った人間の振るまい解析、サイバー攻撃の予兆検知、医療用画像の解析などで人間を超える精度を実現しつつあるようです。

 反面、芸術、哲学・神学など抽象的な知識を必要とする職業や他者の説得・交渉などが必要となる職業は置き換えることが難しいようです。

 また、ディープラーニングは人間が読める論理コードになっていないので、アルゴリズムがブラックボックス化してしまい、動作の解析が困難であるという欠点もあります。また、正しい判断でも人間には理解できない行動をとることがあり、これが実社会に応用することを困難にしている模様です。AlphaGoの対戦を解説したプロ棋士も「なぜAlphaGoの奇妙な打ち手が勝利につながったのか、理解できない」と言っています。

AI(人工知能)の進化で 不要になる管理職と生き残る管理職
圧勝「囲碁AI」が露呈した人工知能の弱点

 今回のAlphaGoは1202台のCPUと176台のGPUで並列処理させた自己対局による強化学習によるもので、Googleの規模と資金力があって実現可能なものです。実用化までにコストがかかるのもネックかもしれません。

日本政府もバックアップ

 昨今の人工知能人気に触発されたのか、日本政府も人工知能研究をバックアップすることにしたようです。新組織を発足させる方針を決めただけなので、どこまで手を貸してくれるのかはわかりませんが、多くの人に知ってもらうことでこの分野が発展することを願うばかりです。

人工知能で総裁直属組織=月内に議論スタート-自民

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自分用です。

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